株式会社と合同会社の比較

 

株式会社   合同会社
有限責任 ①責任の範囲 有限責任
②社会的信用
5万円 ③定款認証費用 不要(0円)
15万円から ④登録免許税 6万円から
出資額に比例 ⑤利益・権限の配分 自由
1円 ⑥最低資本金 1円
必要 ⑦決算の公表 不要
⑧株式公開 不可
取締役 ⑨業務執行機関 社員
株主総会 ⑩最高意思決定機関 全社員の同意
分離 ⑪所有と経営 同一
原則1名以上
取締役会設置会社は3名以上
⑫業務執行者の数 1名以上
原則2年
非公開会社は最長10年
⑬業務執行者の任期 無制限

 

①責任の範囲

有限責任とは出資した財産の範囲内でしか責任を負わなくてもよいという意味です。

例えば、株式会社でいうと、ある会社の株式を持っていたときにその会社の借金が膨らみ倒産したとしても、株主は会社の借金を肩代わりする必要はないということです。

あくまでも出資した財産が返ってこないだけでそれ以上の責任は追及されないような制度になっています。

合同会社でも同様で、合同会社に対して出資した金額以上の責任を負う必要はありません。

※ただし、出資とは異なり、会社が融資を受ける際個人として連帯保証人となってしまっているケースでは、会社が借金を返せないと、連帯保証人個人として借金を返済する義務を負うことになりますので、ご注意ください

 

②社会的信用

合同会社の知名度は株式会社と比べると高いとは言えません。

また、設立費用も株式会社が最低20万円かかるのに対して、合同会社は6万円と安価なため、気軽に設立できる会社というような考え方もできるかもしれません。

このため、合同会社の社会的信用は株式会社より低いと言われています。

しかし、合同会社の制度ができた平成18年当時よりは、だいぶ社会の理解も進んでいるものと思われますので、社会的信用力の差は縮まってはきていると考えられます。

 

③定款認証費用

定款認証費用とは定款を作成した後に、公証人の認証を受ける際の手数料のことです。

株式会社では5万円の手数料が必要となりますが、合同会社の場合はこの手続き自体が不要ですので、0円となっております。

 

④登録免許税

登録免許税とは会社の設立登記をする際に支払う税金のことです。

株式会社設立の登録免許税は資本金の額の1000分の7(最低金額15万円)

合同会社設立の登録免許税は資本金の額の1000分の7(最低金額6万円)

 

⑤利益・権限の配分(利益が100万円のケース)

原則、株式会社では出資(持株)の割合に応じて議決権の行使や利益の配分をすることになります。

出資者
出資の割合 70% 30%
利益の分配額 70万円 30万円

 

しかし、合同会社では、定款で定めることにより出資の割合にかかわらず、議決権や利益の配分をすることができます。

これにより、資金の7割を出資したが会社の売り上げにはあまりしていない人と、資金の3割しか出資はしていないがアイデアを多く出して会社に多く貢献している人の利益の配分を自由に決定することができます。

出資者
出資の割合 70% 30%
利益の分配額 50万円 50万円

上記では利益の配分について例を挙げましたが、合同会社では権限の配分についても自由に決定することができます。